痛みの話Q&Awhat symptom
板断裂
腱板断裂って何? (けんばんだんれつ)
肩の筋肉(棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょっかきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)、小円筋(しょうえんきん))の腱が、肩で一体となった部分を 腱板 と呼びます。
この腱板が断裂して肩に痛みが出る疾患です。
断裂が腱板の全層に及ぶ全層断裂と一部にとどまる部分断裂があります。
レントゲン検査、 関節造影検査、 MRI、 関節鏡検査 等で診断されます。
どうして起るの?
腱板断裂は、若い人では投球などで、繰り返し強い力が肩に加わった場合、50歳代では転倒して手をついた様な場合、高齢者では腱の老化によって起ると考えられます。
症状は?
肩の運動痛、夜間痛があり、腕を挙げる力が低下します。腕を水平に挙げて前方に動かしたり内側に捻ったりすると痛みが出ます(インピンジメント徴候)。腕を挙げたとき、下ろしてくるときに痛みが出ます(ペインフル・アーク・サイン)。又、腕を外側へ挙げてゆくと、水平の位置で止めておくことが出来ず腕が落ちてしまう(ドロップアームサイン)などが見られます。
治療法は?
保存的治療(手術をしない方法):受傷直後で痛みの強いときは、三角巾で肩を固定し、痛み止めの薬を服用します。痛みがある程度軽くなってから、ホットパックやマイクロウェーブなどの温熱療法をし、徐々に運動療法を行います。
関節鏡視下手術:保存的療法でも痛みが軽くならない比較的活動性の低い例では、関節鏡視下の手術が良く行われています。この手術では関節の洗浄(デブリードマン)や滑膜の切除術を行ったり、直接、断裂した腱板を縫い合わせたりします。
手術治療:腱板の完全断裂では、自然に治ることは無く、肩を動かすことによって、断裂部が拡大します。このため活動性の高い若い人では、手術で、断裂した腱板を縫い合わせます。又、関節鏡手術と組み合わせて小さい切開で腱板を縫い合わせることもあります。